「な、なかなかやるじゃねぇか。」

レオンは魔法で吹き荒れる風を振り切りながら、敵ながらミノサロウドをほめる。
ミノサロウドは言葉に応じず、表情一つ変えないで次の攻撃の準備をしていた。

ミノサロウドも魔法使い。レオンが使う魔法をうまく切り返してくる。
むしろ、どちらかというとレオンはおされている方だ。

レオンはちらっと遠くの方に目をやる。
目の視界にはリウがうつった。





― リウも押されているようだな。





チルレットという女性は長い棒の先に大きな鉄球をつけた物を二つ、両手に持って振りかざしては風を切る音を出しながらリウを殴ろうとする。
リウはそれをうまくガードしたりよけたりして、なんとかかわしているようだった。


「・・・・・ウザいわね。そのハンマー。」

「これはクロスハンマーっていう、あたいの相棒さっw」


そういうと、そのクロスハンマーと呼ばれた武器の片方にチルレットは力を入れる。
すると、みるみるとそのハンマーは大きくなった。

「あたいの『気』次第で重さも大きさも変えられるんだからっ♪」

「やっぱりウザいわっ!!」

チルレットはそのまま地面をたたきつけた。



ドォン






すさまじい音とともに地面が揺れた。

「っとぉっ!!地震タトゥかねぇ?」

「たぶん違うと思うよ。ってか、戦いに集中してほしいな・・・テラ。」

エリスとテラの前には二人の少年。
双子の少年・・・・・・・・クロとロウ。

戦いはまだ始まったばかり。お互いほとんど何もしていないと言ってもいいだろう。

「さすがに、今まで戦ってきた奴らとは格が違うタトゥね。」

「・・・・・・・・・。」

エリスは黙ってうなずくと前を見た。


「ん〜、めんどいな。」

クロはそういうと、空中に線を描きだした。

「あ、あれ何してるタトゥか??」

「あなどっちゃダメよ!!あれはおそらく魔法陣!!ふせぐよっ!!」

「お、おうタトゥ!!!」

クロが描き始めた魔法陣。どうやら時間がかかるのか・・・エリスたちが走り出したときもまだ書いていた。



「おっっしゃあ!!行くタトゥよぉおお!!」

「そうはさせないっ!!」

今までずっと動こうとしなかったロウが光を宿った短剣を持って向かってきた。
魔法陣を書く邪魔は簡単にさせてくれないらしい。


「こっちは二人がかりタトゥ!!勝てるわけ」

「・・・・・アーリィーブレイクっ。」

ロウがそうつぶやくと、左手をだしてテラの額をゴスッとついた。
そして、持っている剣はもちろんエリスの方へ飛んできた。
テラは大きく後ろへ飛んだ。エリスは短剣を剣で受け止める。


「て、テラ?!」

「い、痛いタ・・・??」


テラは起きあがったものの、そこからすぐには立ち上がらなかった。
立ち上がって足を一歩踏み出すまでかなりの時間がかかった。


「君は相手にならない。だから一人だけでも大丈夫なんだよ。」

「どうやら、動きを封じられたようですね。」

「なっ、動きは封じられてないタトゥよ!!一応、動けるけど・・・。」

テラはのっしのっしとゆっくり歩き始める。


まぁ、当てにならないのは見たらわかる話。


仕方ないなっとエリスはロウの剣を払うと剣を構えなおした。
ふと、クロの方を見るといつのまにか魔法陣は仕上がっていた。

クロは強く念を入れると、宙に浮く魔法陣は光を強めた。



「やばいですね。本気で行くしか・・・。」

「お兄ちゃんところには行かせませんから。」

ロウはそういうと、エリスをじっと見ながら構えた。
ロウを何とかしなければ先には進めない。



「・・・・あなたでは私には勝てませんよ??」

「僕の今の目的はあなたの行く道をふさぐだけです。倒そうなんて考えてません。」

「・・・・・・そう。」

エリスはぐっと足を踏み出した。
すると突然ロウの視界からエリスが消えた。

「えっ・・・?!」

姿が見えた時にはロウの目の前にいた。
エリスはカンっという金属音とともに、ロウの手から剣をはじいた。
剣は空に飛ぶとやがて、地面に刺さった。

そのままエリスはロウを気絶させる気だった。

「・・・・・っさせない!!」

「!?」

ロウは短い呪文を唱え、炎をエリスの目の前に出した。
エリスは寸前で後ろに下がった。


っとそのとき、あたりに光が溢れる。
それも怪しい黒い光が。

遅かったか。そう、エリスは悟った。


「あのものの動きを完全に封じ、そして魂を食らえ。」


クロのまわりには邪気があった。そして、黒いゲートの中に悪魔が一匹。
暗闇から目を光らせエリスを見ていた。

風のようにエリスのところに黒い陰が舞い降りた。




「え、エリスたああああん!!」
思わぬ光景に、テラはエリスの名前を大声で呼んだ。











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