・・・・・・・・リ・・ス・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・エ・・・・・・・リス・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エリス



「・・・・・・・えっ。」


エリスが目を覚ますと、暗い闇の中にいた。
音一つ聞こえやしない、深い深い闇。


「・・・・・・・・ここが・・・鏡の泉の中なの??」


コツ コツ


足音が近づいてくる。
エリスは自然とそちらへ目を向けた。



「・・・・・・・・やっと会えたわね。」


肩までの紫の髪、アメシストに輝く目。
初めてなのに、懐かしく思えるこの感覚。


「・・・・・・あなたが・・・チェイン。」


女性はうなずいた。まっすぐにエリスを見つめる。


「・・・・・・・・初めまして。エリス。」







ドォン!!!


もうここまできたら戦争だろってな勢いで始まった三組の戦闘。
両者一歩も譲らず、戦いは続く。



「ちっ。前より強くなってやがる」

レオンは舌打ちをすると、次の呪文を唱えだした。
その様子をミノサロウドも目で読み取ると、同じように呪文を唱えだす。

レオンも強くなっていると言えども、やはりミノサロウドの攻撃は彼より一歩リードしているようだった。


がんばれ・・・・レオン・・・・ファイトよ・・・レオン。



― うぜぇ



何もできないのろいのささやかな応援を心の中でぶった切る。

のろいはふぅっとため息をつくと、視線を変えた。
その視線はある少年へとたどり着く。


「お、お兄ちゃん。さっきから猛烈な視線を感じるのは気のせいかなぁ。」

「い、いや・・・気のせいじゃぁないな。でも、気にするな。奴はここまで来れないんだ。」

クロとロウはのろいからの熱烈な視線を必死に無視をしてテラへと攻撃をする。
テラはうまくかわしているようだ。・・・・のろいのおかげで。

「くそっ!集中できない!!」


クロが悔しそうに言った。



奴は動けない。あの場所からこちらへ来る事はできない。
わかっている。わかっているんだ。でも・・・・・




― 
こっちに来そうだぁ。



二人の兄弟がげんなりと気を落としている時、のろいはカッと目を見開いた。



・・・・ロウちゃん・・・カムヒァっっ!!!!

嫌あああぁぁぁ〜〜〜!!!!

のろいはどうやらロウのことが気に入ったようだ。
体全体で拒否反応を起こすロウ。もう彼はすでに号泣していた。


こんな取り乱したロウを見るのは初めてだ。テラはラッキーとは思いつつも、驚きを隠せなかった。



っていうか、誰かその前に突っ込んでほしい。


なんで奴は彼の名前を知っているんだ?・・・・・・・・っと。



「ちぃっ!!!」

そんな彼らが悲劇(?)のドラマを繰り返している間、リウももちろん戦いは進んでいた。
チルレットの攻撃をうまくよけて、自分の攻撃を相手に当てるよう専念する。
しかし、なかなか思うように事は進まず、イライラは積もるばかりだ。


「前よりすばしっこくなってるわ。攻撃が当てにくいわね。」


チルレットの戦闘能力はすごかった。
すばやさはもちろん、リウよりも力がある。前回の彼女とは大違いだ。

「あたいも修行したんだよ!前回はあんたに押されっぱなしだったしねぇ。」

チルレットはクロスハンマーを持つと、大きく変形させる。


「相棒・・・・暴れるよっ!!」

大きくなったクロスハンマーを振り回し、ハンマー投げのように片方をリウの方へと投げてきた。
リウはクロスハンマーを軽くよけると、それを待っていたかのように彼女にすばやく近づいた。


「なっ?!」

「頭の方はどうやら修行できていなかったようね。」

リウはグローブを棒に変形されると、一気にチルレットの腹部を突く。
チルレットはもう一つのクロスハンマーでリウを攻撃しようとしたが、届かず。

彼女は大きく吹っ飛び、地面へと倒れた。
かなりのダメージを受けたようだ。


「っ・・・・・・やった・・・・・・・・??」


チルレットは地面に伏せたまま、起き上がってこない。

「ま・・・・まさか・・・・一発で終了??」


リウが近づこうとした瞬間、ヒュッと音がした。


「・・・・・・・・・・・?!」




ゴッ!!


鈍い音が響く。
リウはその音と共に、地面へと倒れた。
リウの方に投げたクロスハンマーがチルレットの方へ戻ってきて、リウに当たったのだ。

寸前でそのクロスハンマーに気づけたものの、一歩遅く防ぎきれなかった。


「くぁっ!!!!!」

激しい痛みがリウを襲う。それも、当たった部分は急所は外れたと言えども頭の方。
リウはまともに立ってもいられなかった。


「さぁ。どうする??」

チルレットはお腹を抑えていたようだが、クロスハンマーを構えなおす。
状況は悪化していくばかりだった。


「やばいわね。」

リウは息を切らし、チルレットを睨んだ。
そして、頭をフルに使って作戦を立てる。

視界は揺らぎ、ブレを生じる。
リウは棒を杖のかわりにして立ち上がると、グローブへともどす。

「降参したほーがいいんじゃない?」


「誰がよ。」


リウは頭を押さえながら、クスッと笑った。


「・・・・・・思いついたわ。」
リウはボソッとつぶやく。視線は彼女へと向けられた。


「あなたを倒す・・・・私なりの作戦をね。」









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