「・・・・・・!?」

「こ、この魔力!!」

レオンとリウははっハッとテラたちのほうへと目を向けた。
強い魔力を感じる先には黒い影。
その影はエリスを食らいついていた。


「え、エリスっ!!!」

「あなたの相手はこの私ですよ?忘れてはいないですよね??」


レオンの前にはミノサロウド。リウの前にはチルレット。
二人とも動こうにも動けない状況にいた。

「・・・・ちっ。しゃあねえな。」



無事でいる事を祈るしか・・・・・・できない。





「・・・・はっ・・・くはぁ・・・・・っ!!!!!!!」

エリスはがくっと足を折って座りこむ。
息苦しいのを必死に絶えているが、そのたびに何度もしんどそうな息を吐く。
空には魔方陣が未だキラキラと光を出していた。

「エリスたん!!しっかりするタトゥ!!!」

「いくらもがいても無駄だぜ。その悪魔はやがてエリスの魂を食いつくす。もう逃れられない。」

クロは楽しそうにそう言う。テラはキッと睨んで体に力を入れる。


パキンという音と共にテラの体は軽くなった。
テラはよしっとうなずくと、テラは相手に向かってびしっと指をつきつけた。

「今度はタトゥが相手をするタトゥ。」

「無理だろっ?そんな弱い奴、俺たちの敵でもねえよ!!」

「僕は無駄な殺し合いは避けたいです。やめる事を決断してください。」


テラはエリスを見た。
エリスは目をぎゅっとつぶって耐えていた。
その光景を見ると、やはりいてもたってもいられない。


「タトゥがなんとかするタトゥ!!」

テラは小さな手を出すと両手をせいいっぱい広げ長い爪をシャキっとたてた。
そして、クロとロウの元へ走っていく。


「お兄ちゃん。僕があいつの相手をする。」

「・・・・わかった。」


ロウは魔法で短剣を呼び出すと、短剣を構えてテラに向かった。
テラが片手を伸ばすと共に、ロウの剣がテラに向けて振られる。

テラはうまく避けたが、テラの攻撃もまた相手にうまく避けられた。

ギリギリと迫る恐怖。テラは心のどこかに感じでいた。
でも、ここで負けるわけにはいかない。

テラは歯をぐっと噛むと、再びロウに向かう。


「でやあああぁぁぁ!!!」


「何度やっても無駄だっ!!」

ロウは魔法を唱え、雷を出す。
それをテラに向けて一気に降り注いだ。


「た、タヒョッ!!」

走る電撃を避ける事ができず、テラはその攻撃に直撃した。
痛み、痺れに耐え、地面へと伏せる。


「・・・・・終わりですね。」

ロウは冷めた表情でテラに言った。



・・・・・・・・どうすればいいのか。
目の前にいる相手を倒さない限り、あの魔法を破る事はできないのか。

テラは必死に悩ませながら、魔方陣を睨む。


・・・・・・・魔方陣・・・・魔方陣・・・・・。


テラは起き上がり座りこむ。
ロウはその行動に「?」を頭に浮かべた。




「・・・・・・タヒョタヒョ。」


テラは不敵な笑みを見せ、足を抑えながら立ち上がる。


「っ・・・・まだ来るんですか。往生際が悪いですよ。」

「あいにく、タトゥは根性が曲がり果てているタトゥからねっ!!」



・・・・・・それって自慢することなのか。



ロウはテラをバカだっと言ったような目で見る。
テラは鼻で笑い、えらそうにしてる。


「次で・・・何とかするタトゥ!!」


テラは爪を出し、再びロウへと向かった。
ロウは仕方ないなっと構える。
そして、先ほどと同じように左の人差し指と中指で呪文を唱え、手を伸ばした。




― これで・・・・動きを止めるっ!!




「・・・・・・アーリィー」


「させないタトゥっっ!!」


テラの一声とともに、炎がロウのまわりをつつんだ。
ロウは伸ばしていた手をすぐに引っ込めた。



「ぶ、ブレスかっ!!」



テラは「ここだ!」っといったところで、ブレスを吐き相手の視界を狭めたのだ。
そう、揺らめく炎と煙で。



「ロウっ!!大丈夫かっ!!!」

外からクロがロウを呼んだ。そのとき、炎を切り裂きテラが目の前に現れた。


「!!」

「そこをどくタトゥ〜〜〜!!!」



ドスッ



テラはクロの顔面をおもっきり蹴った。
そして、そのままクロを土台にし宙に浮かぶ魔法陣を自分の爪で切り裂いた。

魔方陣は切られるとすぐに無くなり、クロはその場にバタンと倒れた。


「お兄ちゃん!!!」

火の処理を終えたロウがクロの元へ駆け寄った。
クロは顔面を抑え、ふるふると震えていた。



「ま、マジいてぇ。あのトカゲっっ!!!」



クロがテラを睨んだとき、テラはとっととクロとロウから離れた場所にいた。

「た、タトゥはドラゴンタトゥよっっ!!」

「うるせぇハゲ!!もうキレたぞ!!!」

「お、お兄ちゃん!!ダメだよ!お兄ちゃんの魔力はもう・・・・!!」


そう、テラにはわかっていた。
クロがあの悪魔を召喚するのにかなりの時間がかかった。
それだけのすごい悪魔だ。魔力を使う量もバカにならない。

だったら、初めからロウではなくクロと上に浮かぶ魔方陣さえ消せばいい。

テラはふふんっと得意げな笑みを見せた。
クロはぐっと短剣を構えた。

「いくぞ!ロウ!!」

「仕方ないな。早く終わらせるよ!!」


「た、タヒョタヒョ。」


― さ、さすがに二人がかりでこられると・・・・む、無理タトゥっ!!




「ちょーっとあんたら・・・・・待ちなさいよ。」



冷めた声が聞こえた。
テラはこの声を聞くのは久しぶりだ。


「・・・・・チェ、チェイン・・・たん??」

「チェ、チェインだって?!」

「え、エリスさんが・・・・いつのまに。」

さすがに、クロとロウは驚きを隠せないのかかなり動揺している。


「あんたにしては、よくやったってほめてやるわ。トカゲ。」

「ドラゴンタトゥ。」

「・・・・あたしの半身によくもウザい金魚をつけてくれたようね。
                    まっ、あたしならあんなザコ悪魔・・・『気』でとるのにね。」

「じゃあ、初めからそうしてほしかったタトゥ。」

「いちいちうっさいわね。トカゲ。」

テラはチェインに睨まれると、再び「自分はドラゴンだ」という主張はできなかった。
チェインは剣を持つと不敵な笑みを浮かべ少年たちに問う。



「どうする?私が攻めに行こうか?それともあなたたちが私のところに来る?二人がかりでw」

「・・・・・!!」



殺気か・・・それとも気迫か。
クロとロウはチェインを前にすると、びくびくとおびえている様子が見られた。

チェインはくすって笑うとギッと睨んだ。


「それが嫌なら、さっさとお家に帰る事ね。」

「くっ・・・・・」








「んじゃあ、帰らせてもらいますか。」

ふと、横を見るとミノサロウドたちの姿が見えた。
そこにはリウとレオンの姿もあった。

「エリ・・・・じゃないよな。」

「・・・・チェイン。」

「チェインさんがでてきたってことなので、みんなでいったん戦いを中止してこっちに来たんですよ。」


ミノサロウドはかけているメガネをあげて、チェインにそう言った。
チェインはくすっと笑い、ミノサロウドに目を向けた。


「久しぶりね。ミノサロウド。歳は若いのに相変わらず、顔は老けてるのね。」

「ほっといてくださいよ。あなたもそのきつい目つきはお変わりないようで。」

「し、知り合いなのか??」

「・・・・・・・まぁ、昔のことだけど。」

チェインはレオンの答えに答えて、ミノサロウドをまた睨みつけた。

「今回は、じつをいうとあなたたちの力がどれだけかをはかりにきただけです。
                 チェインさんが出ると、このメンバーじゃどうも勝てそうにないですからね。」

「・・・・・そうね。もし殺す気でいるなら”あいつ”も来ているはずだしね。」


チェインの言葉にふっとミノサロウドは笑うと、パチンと指を鳴らす。
すると、地面が揺らぎ元の宿屋に場面は変わっていた。

「では、失礼します。」

そういうと、ミノサロウドたちはドアからみな出て行った。



・・・・・・・・・・・・・・・・・


「久しぶりだな。チェイン。」

レオンは沈黙を裂いてチェインに話しかけた。
チェインはうなずき答えた。

「えぇ。そうね。あの日以来だからね。
         ・・・・・・・・・・・それより時間がないわ。聞いてほしい事があるの。」

チェインの言葉を聞き、一同は彼女の顔を見た。










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