「・・・・・・・・はぁ・・・・はぁ。」
荒い呼吸。急ぐ足。
まずここがどこなのかが、わからない。
そして、自分がどこに向かっているのかもわからない。
わかることは一つ。
ここが戦場であったこと・・・・・・・・
崩れた大きな屋敷。そこには、息を引き取った人間、エルフ・・・・・あらゆる種族がごろごろと転がっている。
ふと、一人の少女に気がついた。
少女の髪は肩までの長さ。つやのかかった紫の髪。そばには自分の体より大きな剣が横になっている。
少女は・・・・・・息をしていた。
「・・・・・・・・・・こいつに託すしかないな。」
時間がない。
ただそれだけの理由でこの子にすべてを託すということが残酷なことであることはわかっている。
―― どうか・・・・私を許してほしい
手にしていたカギをそっと少女の胸にあてた。
そして・・・・・・・・・・・・・・・